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愛撫




愛撫
                                    5.mar.2000





窓の外が、すでに真っ暗になっていることに気付き
村雨は部屋のカーテンを閉めた。
それだけで、自分の部屋は外の世界から隔絶された
特別な空間のように感じられる。
「もう、真っ暗だね」
後ろの方からする声に振り向くと、ソファーの上で
膝を抱えて座っている龍麻と目があった。
その手には湯気の立つカップを持っている。
夕食も済み、特に何をするわけでもなく
ゆったりとした時間を過ごす。
普通のようで、ひどく特別に感じられるこんな時間を
村雨は結構、気に入っていた。
ソファーの方に近寄り、龍麻を見下ろすと
黒目がちの大きな目が、村雨を見て微笑う。
「首が疲れちゃう。ココ、座って?」
龍麻がぽんぽんと、自分のとなりのソファーに促がす。
その龍麻の望み通りに隣に座ると
龍麻の体温が、微妙に触れた左腕から伝わってきた。
柔らかい時間と、柔らかい龍麻の感触。
全て自分を癒す為に創られたもののようだ。
「祇孔も、飲む?」
煎れて来ようか、と龍麻が立ちあがろうとするのを
軽く腕を引いて止める。
「いや、いい。それより・・・」
その龍麻の手から、カップを取り上げテーブルの上に置くと
当然、龍麻は訝しげに村雨を見た。
「・・・祇孔。まだ、飲んでるんだけど・・・」
すこし不貞腐れたような龍麻に笑いかけ、
軽く髪の毛を撫でる。
「・・・?」
不審そうな顔から、次第に不思議そうな顔に変わってきた龍麻に
手を伸ばし、その頬に指を滑らす。
「やっぱり、あんたは美人だな」
「そ、そんなこと・・・ないよ」
「いや、あるさ。俺が今まで見てきたものの中で、一番上等で
一番綺麗だ」
「上等?・・・それ、誉めてるの?」
「ああ、最大級の誉め言葉だぜ?」
「ふぅん・・・ありがと」
恥ずかしげに俯いてしまった龍麻の顎に手をかけ、自分の方を向かせ
ビクスドールのように完璧に整った貌に、なおも指を滑らす。
その指を徐々に頬から口唇の方まで下ろし
柔らかく、紅い口唇をなぞる。
「紅いな・・・血の色みてぇだ」
笑いながらそう言って、口唇から指を離し
今度は耳朶の後ろを擽るように撫でると、龍麻が笑いながら首を竦めた。
その首のラインにも指を滑らせると、脈打つ音が
指から伝わってきた。
「なんか、診察されてるみたい」
くすくす笑いながら、龍麻が身を捩った。
「おいおい、先生・・・色気ねぇなぁ」
龍麻らしいといえば龍麻らしい科白に、指の動きを止め
少し呆れてため息をつく。
その言葉に、龍麻が軽く首を傾げた。
「じゃあ、なに?」
「愛撫・・・だろ?」
耳元で囁いてやると、目の前にある首筋が
す、と朱に染まった。
その首筋をなぞり、軽く口付けるとびくっと体が震える。
ぱっと顔を上げ、可愛らしく睨むその目元は
羞恥に薄く染まっている。
その上気した顔は、本人にそのつもりはないだろうが
誘われてるように見えた。
だから、自分もついその色香に誘われるままに
言ってしまう。
「先生・・・やろうぜ」
口の端に笑みをのせてそう言うと、龍麻が驚いたように
大きく息を呑む。
ゆっくりと、言葉の意味を租借するかのように
数度瞳を瞬かせて、その後胡乱に目を眇めた。
「直接的・・・」
「アンタは鈍いから、こうでも言わなきゃわかんねぇからな」
「そんなことないけど・・・」
大仰にため息をついた後、ふと考えたように
言葉を止め、龍麻がわらった。
「でも、そういうの、嫌いじゃないよ」
そう言って、およそこれからする行為には似つかわしくない
幼い、無邪気な笑みを浮かべて
龍麻は村雨に腕を伸ばした。


先ほどとは違い、多分に欲を込めて
村雨は龍麻の全身に触れた。
指で触れるだけでは飽き足らず、味わうように
舌を這わせていくと、龍麻が小さく抵抗する。
「や・・・くすぐったい・・・!」
「擽ったいだけか?・・・違うだろ?」
音をたてて胸元にキスを落とし、片手で胸の飾りを弄ぶと
龍麻が息を呑んだ。
龍麻の背中にまわした手を、徐々に下の方に下ろしていき
腰の辺りで手をさまよわせると
焦れたように、縋りついてきた。
「どうした、先生。まだ、何もしてないぜ?」
意地悪く耳元で囁くと、潤んだ瞳で見つめてきた。
「も・・・と・・・触って・・・っ」
掠れたような声でそう言われ、もともとあまりない理性心が
跡形もなく塵になる。
「・・・可愛いこと、言ってくれるな」
喉の奥でくっと笑い、秘孔を指で弄ると
甘えたような吐息が漏れた。
「ここも・・・触って欲しいか?」
「んぅ・・・っはぁ・・・ん」
恥ずかしそうに顔を染め、きゅっと目を瞑りながらも
小さくこくりと頷く龍麻の口唇にキスを与え
秘孔に指を咥え込ませる。
「んん・・・っ、ぁあ!ん、っくぅ・・・」
すでに内部は熟したように熱く、誘うように蠢いている。
柔らかく絡みついてくる媚肉を掻きまわすように
中で軽く指を曲げると、悦いところにあたったのか
龍麻の背が弓なりに反る。
「あっ・・・あぁああ!んぁ・・・し、こう・・・!」
声に甘えが交じってきたのを感じ、指を引きぬこうとすると
いやいやと首を振る。
「先生・・・力、抜けよ・・・」
「や、やぁあ・・・あぁん!」
縋るような目で見る龍麻に目だけで笑いかけ、一気に指を引きぬくと
その刺激で感じたのか、龍麻が精を放つ。
「もうイっちまったのか?ほんと、可愛いな・・・あんたは」
「・・・っく・・・ふぇ・・・っく・・・」
恥ずかしさで泣き出してしまった龍麻を、あやすように抱きしめ
片足を抱え上げる。
「!し・・・こう・・・、やぁ・・・ま、だ・・・」
「大丈夫だ・・・もっと、気持ち良くしてやるよ」
言いながら、龍麻に痛みを与えないように
ゆっくりと自身を飲みこませる。
「ぁ・・・やぁあ!祇孔・・・だめぇ・・・!」
「っ・・・熱いな・・・溶けちまいそうだ」
全部おさめきって、息を吐く。
龍麻の中の灼熱にうかされて、自分にまで熱が移ったかのように
体が熱くなった。
「いやらしいな、先生・・・中が、欲しがってるぜ?」
もっと激しい刺激を欲しがるように、収縮を繰り返す内部を
揶揄かうように目を細めると、龍麻の中が
咎めるようにきゅうっと締めつけてきた。
「もっと・・・欲しいか?」
「ほし、い・・・祇孔が・・・もっと・・・」
うわ言のように言葉を紡ぐ龍麻に、褒美のように
中を突き上げてやると、小さな悲鳴が上がる。
「良い声だ・・・もっと、聞かせてくれよ」
「ひぁ・・・っ・・・い、ぁああ!あ・・・ん、あぁん!」
涙を散らして乱れる龍麻に、自分自身も限界が近づくのが判る
「龍麻・・・」
「あ・・・し、こう・・・!中で・・・って・・・!」
言葉と同時に締めつけてくる内部に促がされ、少し乱暴に内部を穿つと
龍麻が腰に足を絡めて、二度目の精を放つ。
その痴態に誘われ、村雨も龍麻の中に欲望を放った。
そのまま龍麻の体から、くたりと力が抜ける。
「大丈夫か・・・?」
「ん・・・」
気だるげに答え、龍麻は村雨の胸に頭を預けてくる。
「触れられるのは・・・気持ち良いだろ?」
腕の中で息を弾ませている龍麻の髪に、
愛おしむように口付けて、村雨は小さく笑う。
その言葉に、龍麻は億劫そうにしながらも
小さく微笑って頷いた。




あとがき?
なんか、久々にむらしゅ書きました。
しかも、また裏(笑)表にはむらしゅ1つもないのにね(大笑)
やっぱり彼は、裏の住人だな(偏見)
内容的には・・・なんとゆーか・・・
のてー・・・っとした話ですね(笑)
もうちょっと、えっちシーンははぁどな方が良かったかも・・・
・・・どーにも龍麻のキャラが違うよ―な気もしますが
対村雨用の龍麻は、こういうのもアリだと思うんですが
・・・どんなもんでしょ?(笑)